2013年3月29日金曜日

1−2.ニセコ観光の現状と課題


 ニセコにおいては、これまでも折々に観光に関する現状と課題の調査分析がなされてきた。ここでは、その中の、ニセコの強み(S)や弱み(W)、地域内外からの好機(O)や脅威(T)などを区別して地域の特性を構造的に捉える「SWOT分析」から、特徴的な傾向をもとに、「ニセコ観光局」の検討に資する視点を整理した。

※2:「ニセコブランド構築に伴う調査分析報告書」NPB2008、『ニセコ町観光振興計画』ニセコ町2009

1)S(Strong)強み
  パウダースノーに代表される自然資源が豊富・・・ブランドとして展開
  立地条件の良さ・・・・・・・・・・・・・・・・市場における比較優位の位置取りとして展開
  多様な人材の豊富さ・・・・・・・・・・・・・・市場における比較優位の位置取りとして展開

2)W(Weakness)弱み
  地域資源の管理、ガバナンス(共治)※注が弱い・ 「ニセコ観光局」の中核的機能として強化
  マーケティング(誘致受入)の展開が脆弱・・・・対象細分化に基づく誘致受入機能の強化
  組織態勢がバラバラ・・・・・・・・・・・・・・「ニセコ観光局」に統合しワンストップ化
  観光産業と地域経済の関係が見えない・・・・・・地域経済全体への波及を積極的に誘導
  交通体系が貧弱・・・・・・・・・・・・・・・・エリア全体の循環交通網の整備
  季節の偏りが顕著・・・・・・・・・・・・・・・ブランド「フォーカラーズニセコ」として展開
  まちづくりの遅れ・・・・・・・・・・・・・・・両町のまちづくり全体への波及を積極的に誘導

3)0(Opportunity)機会
  世界市場がニセコに関心を寄せている・・・・・・対対象細分化に基づく誘致受入機能の強化
  地域の取組みが始まりつつある・・・・・・・・・「ニセコ観光局」創設への取組み

4)T(Threat)脅威
  地域資源の管理やガバナンス(共治)の弱さにより、リゾート開発の制御が効いていない
                       ・・・「ニセコ観光局」にガバナンス機能を組み込む
  経済不況と競争激化の圧迫が強まっている・・・・両町まちづくり全体への波及を積極的に誘導



※注:「ニセコ観光局」における「ガバナンス(共治)」とは:
 行政と住民が<統治−被統治>の縦の関係に固定され、行政だけが公共性を担う「ガバメント(統治)」と異なり、「ガバナンス(共治)」は、行政と住民が横の関係として共に公共性の担い手となる仕組みである。ここでは、行政が規制し民間が規制されるという縦の関係を固定するのではなく、官と民が横の関係の中で保全に向けた規制等に共に関与し、連携して総合調整を行う新しい公共の担い手となることを意味している。

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