2013年3月29日金曜日

1−7.ニセコエリアの「ブランド形成」に向けて


1)【ニセコブランド】の現状と課題
 「ニセコ観光局」のミッション(使命)を一言で集約すると、ニセコのブランド形成を推進することであり、地域(内部環境)と市場(外部環境)の間を循環しながら、地域と市場の適合性を磨き続けること、と言い換えることが出来る。いわば、ガバナンス(共治)機能もマーケティング(誘致受入)機能も、その成果は全て【ニセコブランド】として表現される。では、ニセコエリアのブランド形成はどんな状況か。


6:「ニセコブランド構築」NPB2008

 パウダースノーは、ニセコが国際リゾート形成の入口に立つ原動力となった最高級の資源であり、世界トップレベルのブランド素材となった。しかし、これはいわば自然発生的に形成されたブランドであり、しかも冬に限定されたブランドである。スキーリゾート先進地のウィスラーなどでは、意識的にスキー以外のシーズンのブランド化も進めており、環境整備や誘致活動においてはもちろんのこと、リゾート全体の成長管理をブランド形成の中核に据えて推進している。ニセコエリアにおいては、このような全般的な取組みがなされていない。このままでは、現状のブランドが強化されないだけでなく、取組み自体の消極的姿勢によって、ブランド力の低下が必至と言える。




2)「フォーカラーズニセコ」(案)のブランド形成が可能
 ニセコエリアは、世界のなかでも四季の特徴が最も明瞭に現れる地域の一つであることは、パウダースノーの品質にも象徴されている。四季によって自然環境が大きく4つの色彩で表現できることから、ニセコエリアのブランドを「フォーカラーズニセコ」とする。
 「フォーカラーズニセコ」は、春の新緑、夏の青い空と川、秋の紅葉、そして冬のパウダースノーなどの四季を表象するが、また、ニセコリゾートエリアを構成する各ゲレンデ地区の多彩な個性をも表象している。花園、グランヒラフ、東山ビレッジ、アンヌプリ、モイワなど、リゾートエリアとしてのあり方そのものも多様である。
 さらに、「フォーカラーズニセコ」は、その基盤が豊かな自然環境と景観にあることから、これらの地域の価値を守り将来に継承することや、これらの自然資源を安全にしかも自由に満喫できるニセコルールの浸透、リゾート開発やさまざまな関連ビジネスにおける市場管理型の地域ガバナンス(共治)などによって、より高い理想を目指すことが出来る。これらのガバナンス(共治)機能に支えられた、受入環境の品質向上に向けた態勢整備や宣伝誘致活動によって、来訪リゾート客の満足度が高められ、再訪率や紹介率が向上して地域と訪問客が協働でブランド形成のパートナーとなる好循環が定着していく。外国人観光客が友人に是非勧めたい推薦率で、ニセコは僅差で白馬を抑え、トップである。

※7:「訪日外客 実態調査」JNTO2007 

 ブランド形成の循環は、まちづくり全体の高品質化に向けてリゾートエリアから両町の全地域空間にその効果が波及していくことを示す、地域内外に向けた大きな指標となる。


ニセコエリアのブランド形成に関する体系的な整理   




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